
日本銀行は3月のマイナス金利解除に続き、7月31日の金融政策決定会合で短期金利の誘導目標を0.15%引き上げ「0.25%」へと追加利上げを行うことを決定しました。
(0.25%という政策金利の水準は、リーマンショック直後の利下げ局面で政策金利を0.3%前後としていた2008年12月以来のようです。)
今回の追加利上げにおける身近な影響としては、まず金融機関に預ける預金金利の引き上げがあります。
日銀が今年3月にマイナス金利を解除したあと、メガバンク各行は普通預金金利を0.001%から、20倍の0.02%に引き上げましたが、今回の利上げを受けて大手銀行が相次いで預金金利の引き上げを決定しました。(普通預金金利を0.10%に引き上げると発表しています。)
今年2月時点での大手銀行の普通預金金利は0.001%でしたので、半年で見ると100倍に増えることになります。
また、今回の日銀の利上げを受けて、基本的に住宅ローンは変動金利・固定金利ともに上昇する可能性があります。
8月時点の変動金利はネット銀行・メガバンクともに約0.4%、固定金利はフラット35で約1.9%です。変動・固定の金利差は1.5%ですので、「変動金利が1.5%以上上昇するのであれば固定金利を使う方が有利」ということになります。
(金利の引き上げは通常は0.25%ずつのため、1.5%の金利差を埋めるには単純計算で6回の追加利上げが必要となります。)
『金利のある世界』になると、プラスの面・マイナスの面がそれぞれあります。預金利息は増え、金融資産からの所得は増加しますし保険料の引き下げも期待できます。
反面、住宅ロ―ンや奨学金などを利用している方では、金利上昇による利払い負担の増加が予想されますので金利の動きに注意しましょう。